
静電気ってなぜ起こる?
現場での“見えないトラブル”を防ぐ第一歩
乾燥した季節、ドアノブに触れた瞬間に「パチッ」。
誰しも経験のある静電気ですが、実はこの現象、製造や物流、メンテナンスの現場では大きな問題につながることがあります。
静電気とは?
静電気は、物体の表面に電気がたまっている状態のことをいいます。
普通、物質はプラスとマイナスの電気がバランスよく存在していますが、こすれたり、剥がれたりすることでそのバランスが崩れ、片方に余分な電気(静電気)がたまってしまうのです。
なぜ静電気が起こるの?
静電気が発生する要因は様々ですが、主なものは、「摩擦」です。
例えば…
- プラスチックとフィルムが擦れる。
- 衣類同士がこすれる。
- シートが高速で巻き取られる。
- 粉体がチューブを通過する。
こうした動きの中で、電子のやりとりが起こり、一方に電子がたまり、帯電状態となります。
そして、その帯電した物体が別のものに触れると、一気に電気が移動(放電)し、いわゆる「パチッ」と感じる現象が起こります。
静電気が引き起こす“見えないトラブル”
家庭ではちょっと不快なくらいの静電気も、業務の現場では次のような影響を及ぼします。
●ホコリの付着
帯電した表面には空気中の塵やホコリが吸い寄せられ、清潔さの維持が困難になります。
特に透明製品や光学部品では見た目や性能に直結します。
●材料の貼り付き・巻き付き
プラスチックシートや包装フィルムなどが重なったまま離れにくくなることも。
巻取りや加工ラインの効率を大きく落とす原因になります。
●粉体の飛散や混入
粉末製品や添加剤などが帯電すると、容器内に貼り付き、適切な分量が測れなかったり、他の材料へ混入したりといったリスクが。
●電子部品や機器へのダメージ
静電気による瞬間的な放電は、精密機器の誤作動や破損につながることもあり、クリーンルームや検査工程では特に注意が必要です。
静電気は「見えない」からこそ厄介
静電気は目に見えないうえに、発生条件も環境(湿度、材質、摩擦の種類など)によって複雑に変化します。
「問題が起きてから対策する」のではなく、
「静電気が起きにくい環境や表面処理」を先に考えることが、安全で効率のよい製造・作業につながります。
🔍まとめ
・静電気は摩擦や剥離などによって簡単に発生する。
・製造・保管・運搬などの現場では、品質や安全に直結するリスク。
・静電気対策は、「見えないトラブル」を防ぐ第一歩
製品の安定供給・作業の安全・品質保持のためにも、静電気対策は大切です。

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