
除菌クリーナーの選び方と使い方
ウイルス・菌対策で清潔空間を守る!
◆除菌クリーナーが欠かせない時代に
感染症対策への関心が高まる中、飲食店、ホテル、オフィス、医療施設、教育現場など、あらゆる業種・場所で「除菌クリーナー」が日常の清掃業務に欠かせない存在となっています。
単なる“掃除”ではなく、「衛生管理」という視点が重要視される現代において、除菌性能と安全性、作業効率の高さを兼ね備えたクリーナーの選定は、企業や施設の信頼にも直結します。
本記事では、除菌クリーナーの基礎知識から、正しい使い方、選び方、業務用製品の特徴、そして除菌にまつわるよくある誤解や注意点まで、わかりやすく解説します。
◆除菌クリーナーとは?|洗浄+除菌のW効果
「除菌クリーナー」とは、汚れを落とす「洗浄成分」と、ウイルスや細菌を減らす「除菌成分」の両方を含むクリーナーのことです。
一般的な中性洗剤やアルカリ洗剤では落としきれない細菌・ウイルスの対策として、多くの現場で使用されています。
除菌クリーナーには、以下のような成分が配合されていることが多いです:
- 界面活性剤(洗浄成分):油汚れ・皮脂・手垢などを分解・除去
- 除菌成分(殺菌・抗菌作用):塩化ベンザルコニウム、エタノール、次亜塩素酸ナトリウムなど
製品によっては、消臭成分、防カビ効果、帯電防止機能など、複合的な機能を持つものも登場しています。
◆なぜ今、除菌クリーナーが求められているのか?
①感染症対策の“常態化”
新型コロナウイルスの流行以降、感染症対策が一過性のものではなく、日常業務の一部として常態化しました。
清掃においても、見た目のキレイさだけでなく「除菌されているかどうか」が問われる時代です。
②施設の信頼とブランド維持
飲食店や美容室、商業施設などでは、清潔感=サービスの質と見なされることが多く、除菌が行き届いていないことは、顧客離れやクレームにも直結します。
③作業の効率化
従来の「洗浄 → 拭き取り → 除菌」のような多工程を簡略化し、「洗いながら除菌できる」製品の需要が急上昇。
とくに人手不足が深刻な現場では、一度で済むクリーナーが大きなアドバンテージになります。
◆ 業務用除菌クリーナーの選び方|3つのチェックポイント
① 素材にやさしい中性タイプか?
頻繁に使う清掃剤であれば、中性・アルコールフリーなど、対象物を傷めにくいタイプがおすすめです。
鏡やアクリル板、樹脂製品、タッチパネルなどを清掃する場合は、強アルカリや強酸性の洗剤は避けるべきです。
② 使用場所に適した成分か?
飲食店や食品工場では、食品添加物由来の成分を使った除菌クリーナーが安心。
一方で、病院や介護施設では、ノロウイルスやMRSAなどへの対応が求められるため、塩素系や強力な除菌成分が必要な場合もあります。
③ 拭き取りやすさ・乾燥性
除菌クリーナーは「拭き取り後にべたつかない」「乾きが早い」など、作業後の状態にも気を配るべきです。
べたつきが残ると再汚染やホコリ付着の原因になります。
◆除菌クリーナーの正しい使い方|効果を最大限に引き出すポイント
STEP 1:ホコリ・ゴミを取り除く(前処理)
いきなり除菌クリーナーを吹きかけても、表面にホコリや砂粒があると本来の除菌効果が発揮されません。
まずは乾いたクロスや掃除機などで軽く前処理を行いましょう。
STEP 2:対象面に均一にスプレー
製品の使用量指示に従い、スプレーをまんべんなく噴霧。
一部だけに集中させず、面全体を覆うようにするのがポイントです。
STEP 3:清潔なクロスで拭き取り
使い古した雑巾や汚れたウエスではなく、清潔な乾いたクロスで丁寧に拭き上げること。
拭き残しやムラがあると、除菌効果も不十分になります。
STEP 4:汚れがひどい場合は繰り返し
手垢や皮脂、タバコのヤニなどがしつこく残っている場合は、複数回の清掃が必要です。
製品によっては「浸け置き効果」があるものもあるため、用途に応じて使い分けましょう。
◆よくある誤解と注意点|除菌クリーナーの“落とし穴”
- 除菌=殺菌ではない:除菌は「菌を減らす」効果であり、完全にゼロにする「殺菌」や「滅菌」とは異なります。
- 毎回同じ場所を清掃しない:使用頻度が少ない箇所こそ、菌やウイルスが残りやすいため、清掃計画にメリハリが必要です。
- 「香り」で選ばない:芳香剤入りの除菌クリーナーは好まれる一方、成分の残留や誤使用のリスクがあるため、業務用では慎重に選ぶべきです。
🔍“清掃+衛生管理”が現場の常識に
除菌クリーナーは、ただの清掃剤ではありません。
現場の「安心・安全・清潔」を守るための衛生管理ツールとして、今後ますます重要な存在になっていくでしょう。
使用する側としては、成分・使いやすさ・信頼性・コストなどをトータルで見極め、現場に最適な製品を選ぶことが求められます。
「うちの清掃、これで本当に大丈夫?」と少しでも不安を感じたら、今こそ除菌クリーナーの見直し時かもしれません。