帯電防止剤とは

絶縁体に導電性を付与することにより、静電気の蓄積を防止する薬剤です。
帯電防止剤の多くは、界面活性剤の作用により、物体表面に空気中の水分を吸着し、電気抵抗を下げる役目をします。

界面活性剤とは

界面活性剤は、ひとつの分子の中に「水になじみやすい部分(親水基)」と「油になじみやすい部分(疎水基または親油基)」の両方を併せ持つという特徴があります。
界面とは、2つの性質の異なる物質の境界面のことをいいます。
界面には、気体と液体、液体と液体、液体と固体、固体と固体、固体と気体などがあり、界面活性剤はこのような境界面に働いて、表面の性質を変える物質のことをいいます。

静電気とは?

この世に存在する物体は、マイナスとプラスの電気を持っています。物体の電気的なバランスがプラス、またはマイナスに片寄った状態の事を帯電といいます。
静電気にはプラスの静電気、マイナスの静電気があり、それぞれの物質によりプラスに帯電しやすいもの、マイナスに帯電しやすいものがあります。
2つの物体が接触すると、お互いの物質間で電子の移動が起こります。電子を受け取った側はマイナスに帯電、もう片方はプラスに帯電し静電気が発生します。マイナスとプラスがバランスを保って安定していると、電気の動きはありません。
静電気とは、物体同士の接触や摩擦などによって電荷の移動が発生し、空間的に電荷の移動がほとんどない電気のことをいいます。
この静電作用により塵や埃・花粉などが吸着し、汚れの原因となります。静電気防止対策として、絶縁体の表面に界面活性剤をスプレーで塗布する方法があります。
絶縁体の表面に塗布すると、空気中の水分を引きつけ、イオン化した界面活性剤で表面の電気が流れやすくなり、静電気が除去されます。
また、湿度と静電気は密な関係があります。湿度が高い時は、空気中に水分が多いので、空気中の水分を通してすばやく電気は逃げてしまします。一方、湿度が低い時は空気中に水分が少なく、電気を流す逃げ道が少ないため、人間や物体に静電気がたまりやすくなります。